直方商工会議所 職員 河野和家さん

「あなたは何者?多様な顔を持つ直方商工会議所 職員河野和家にインタビュー」

こんにちは、まちかどテラス編集部です。今回お話しをうかがうのは直方商工会議所職員、時にラジオパーソナリティー、直方映画祭事務局など多岐にわたる業務をこなす河野和家さん。現在、改装中の須崎町商店街にある旧旅館にて話を伺いました。

直方商工会議所 職員 河野和家さん
直方商工会議所 職員 河野和家さん

―今日は宜しくお願いします。河野君とはもう5,6年前に駅前商店街のイベントの企画・運営で知り合ったんですが、その頃はまだラジオ番組をやったり、直方映画祭を実施したりする前だったと思います。そして現在は、プライベートで築110年のかつて旅館だった古民家をご自身で改装されています。この古民家を改装するになった経緯は?

この建物の存在をはじめに知ったのは、2013年の直方商工会議所80周年記念事業として商店街イベント「祭食健美」でした。4つあるそれぞれの商店街で「食」「健」「美」というテーマを設けて、そのテーマに沿った出店ブースや催しがあるイベントだったんですが、須崎町商店街は「映画」をテーマに、直方映画祭の前身「直方市須崎町映画祭」を開催しました。その映画祭の上映ブースの一つだったのがこの旧旅館で、この梁はほんとにすごいなーって感動しました。

旧旅館2階大広間の梁
旧旅館2階大広間の梁

―そこからなぜこの建物を譲りうけ改装するに至ったんですか?

持ち主の御婆さんが2年ほど前に亡くなられて息子さんが相続されたんですが、息子さんは東京に居を構えられてて。
で、遠い直方の建物を管理もできないから手放したい、早く解体したいという話を商店街の方から聞いて。今日本中で問題になってる空き家問題ですね。
この梁がなくなるのは勿体無いなーと思って、商店街の人に連絡を取ってもらって、譲り受け改装するということになったというのが経緯です。

―こんなに大きく立派な建物を取得するという大胆な決断をよくしましたね?

僕自身が取得しなくても、この建物と梁さえ残ればよかったんです。
実際同時期に、この建物に興味を持って「ここで何々をしたい」とかを考えている人はいて。そういう人がこの建物を活かしてくれるのがベストだと思うんですが、取得するまでは至らなくて。
で、なんやかんや成り行きで「何とかなるか〜」って思って決断をしました(笑)。僕じゃなくて誰かがこの建物を活用してもらった方が本当はいいと思うんですけどね~、まちかどテラスでこの建物買って使いませんか?(笑)

110年の乗れキスを感じる立派な梁や柱、細かな装飾が施された鴨居
110年の乗れキスを感じる立派な梁や柱、細かな装飾が施された鴨居

―いやいやいや(笑)。ラジオ番組「直方ザ・ラジオ」をするようになった経緯は?

当時はまだ直方にはラジオのサテライトスタジオがなくて。直方映画祭のPRとして出演させてもらったコミュニティFM「Air Station Hibiki」のサテライトスタジオが直方の商店街に出来るというのが背景にありました。
じゃあどうせ番組をするなら、そこで会議所の取組とかも告知できるし、何より市内でこんな商売してる人がいるよ~とか、こんな取組みをしてる人がいるよ~ていう情報を集めてみんなに周知することができます。それによって人と人、人と場所が繋がるための情報源になれたらと思ってやっています。

古民家を活かすために。多忙な中でも自身で改装を
古民家を活かすために。多忙な中でも自身で改装を

―これまで色々な事を取り組んできて変わった事とか心境の変化とかは?

何をやるにしてもやっぱり人の協力とか支えがあっての事だと思います。続ける事も大事だけど、潔くすぱっとやめる決断も大事ってことも思うようになりましたし、あと4,5年前からイベントはなるべくやらないようにしてます。

―というのも?

もともと「祭食健美」を実施したのも映画祭をやっているのも、商店街をフィールドにして楽しいイベントが誰でもできるよってことを示しただけなんです。伝統的に直方の商店街には五日市をやっている土壌があるし、市や会議所がやらなくても、そういうことをしたい有志の集まりが商店街に集まったりイベントをすることが商店街にとってベストな事だと思います。
幸いにも、ここ数年「直活会」をはじめ「直方を熱くする会」や「千人茶会」等、有志が集まって何か楽しい事をすることが増えてますし、それに連なって商店街で商売をするという若い人も今年になって徐々に増え始めてきました。そんな人たちがどんどん楽しいことをやっている状況があるので、僕らが表にしゃしゃり出てやらない方がいいなっていうことが一つと、あと僕自身30年分のイベントをやったのでもういいかな~と(笑)。イベント屋じゃないですし。イベント屋って思っている人もいるみたいですけどね(笑)

敢えて「“よそ者”の視点で色々客観的に見る」
敢えて「“よそ者”の視点で色々客観的に見る」

―今後の展望は?

僕は商売をやっている訳でもないですし、ましてや商店街生まれでないので、商店街の人からはウザく思われてるでしょうけど(笑)、“よそ者”の視点で色々客観的にも見れるので、その立ち位置でずっといたいな~と。
あとは、例えば映画祭などをきっかけにお店をだしてみたり、映画館をやりたい人が映画館を作ったり出来る様な、「何かを起こして何かが生まれる。」そんな状況を作っていくお手伝いをしていきたいですね。

周囲の方とも良好な関係が伺える姿
周囲の方とも良好な関係が伺える姿

今回インタビュー中の中ふらりと訪れた方が中を見物している姿が印象的で周囲の方たちもこの旅館がどのようになるのか楽しみだとの事。これから旧旅館の事も踏まえて次は何者になるか分かりませんが、今後の河野和家さんの活動に期待です!